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渋沢栄一先生から学ぶ、発言に気をつけること

渋沢先生は、“口は禍福の門なり”という節にて、以下のように語っています。

渋沢栄一余は平素多弁の方で、よく種々の場合に口を出し、あるいは演説なぞも所かまわず、頼まれればやるので、知らずしらず言い過ぎることなぞあって、人からしばしば揚げ足を取られたり、笑われたりすることがある。
~中略~
口舌は禍の門であるだろうが、ただ禍の門であるということを恐れて一切口を閉じたら、その結果はどうであろうか。有要な場合に有要な言を吐くのは、できるだけ意思の通ずるように言語を用いなければ、折角のこともうやむやに葬むらねばならぬことになる。それでは禍の方は防げるとしても、福の方は如何にして招くべきか、口舌の利用によって福も来るものではないか。もとより多弁は感心せぬが、無言もまた珍重すべきものではない。

私もまた多弁でありますが、渋沢先生のように“心にもないことを言わぬ主義”であるかといったら、そのように徹底出来ているわけではありません。多弁ゆえ、失言もあります。禍福混合状態です。日々振り返ったときに、失言では無いにしろ、もう少し言い方に気をつければ良かったという点はいくつもあります。

論語に「君子、重からざればすなわち威あらず」とありますが、軽はずみな態度と合わせ、発言が自分を“軽く”している大きな原因だと思っております。

軽はずみな発言や、失言というのは、言葉に出した事も問題ですが、根本は、その発言をするに至った己の“考え”、考えの元となっている“人間性”そのものが未熟であると考えています。人間性・人格というものを高めると同時に、よくよく反芻した上での発言というものを心掛けていきたいと思いました。

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渋沢 栄一

二宮尊徳の教え 其の十七 積善の家に余慶あり

尊徳先生は、禍福吉凶について以下のように述べています。

方位によって禍福を論じ、月日によって吉凶を説くということが昔からある。世間の人はこれを信じているけれども、そんな道理があるはずがない。禍福吉凶は、方位や月日によって決まるものではない。それは迷信である。仏教では「本来東西という方角などない」とさえいっている。禍福吉凶は、それぞれ自分の心と行いが招くところにやってくるのであり、また、過去の因縁によってやってくるのである。

ある高徳の僧が強盗に遭ったときの歌に、「前の世の 借りを返すか今貸すか 何れ報いは 有るとこそしれ」と詠んだ通りであろう。絶対に迷ってはいけない。強盗は鬼門から入ってはこない。悪日だけに来るのでもない。戸締りを忘れたら、入ってくるものと思いなさい。火の用心を怠れば、火事が起こるだろう。試しに、戸を開けておくがいい。犬が入ってきて、食べ物をあさるだろう。これは、明白なことだ。

易経に「積善の家に余慶あり、不積善の家に余殃(よおう)あり」(善行を積み重ねた家には、必ず子々孫々の後に至るまで幸福が及ぶものである。不善を積めば、その家は後世まで災禍を受けるものである)とあるが、これは永遠に変わらない真理である。決して疑ってはならない。これを疑うのを、“迷い”というのだ。

米を蒔いて米が実り、麦を蒔いて麦が実るのは明らかなことで、毎年毎年変わらないことである。それは、天理だからである。

月日によって吉凶があるなどということは、決して信じてはいけない。信じなければならないのは、「積善の家に余慶あり」という金言である。しかし、「余慶」も「余殃」もすぐにやってくるものではない。百日で実る蕎麦があれば、秋に蒔いて夏に実る蕎麦もある。諺に「桃栗三年柿八年」というのと同じことだ。因果や応報にも、遅い、速いがあることを忘れてはならない。

(参考:現代語抄訳 二宮翁夜話―人生を豊かにする智恵の言葉

ここでは、真理を疑っている状態を“迷い”とし、真理を疑ってはならない。善を積んで始めて幸福、吉兆があり、それにも遅い、速いがあるのであると説かれています。高徳の僧の歌にあるように、「借りを返すか、今貸すか」という句も印象的でした。どうやって善を積んだらいいのか。実践しているのは「良い習慣」を「継続」させるということ。今は、身を修めることで精一杯でありますが、一つずつ「良い習慣」を増やし、継続させることで、善というものが、多少なりとも積めればと思っております。

また、先日、友人から頂いた「小さな経営論」という本にも、「開花に10年かかる人間の花」とありました。筆者の藤尾社長は、多くの偉人・賢人を見てこられ、その結果、人は花を咲かせるのに、10年くらいかかるとおっしゃっております。とても統計的な感想だと思います。成果・結果を焦らず、一歩一歩しっかりと歩んでいきたいと思います。

現代語抄訳 二宮翁夜話―人生を豊かにする智恵の言葉 現代語抄訳 二宮翁夜話―人生を豊かにする智恵の言葉
渡辺 毅
小さな経営論―人生を経営するヒント 小さな経営論―人生を経営するヒント
藤尾 秀昭