致知出版社ではお馴染み、現代仏教の第一人者に松原泰道老師がおります。
本日、ふと本屋に立ち寄ると、「百歳で説く般若心経」という本に目がとまりました。
今まで「気持ちが良い」という理由で、
意味もわからず般若心経を読経していましたが、
老師自身による般若心経の読経CD付きということも手伝い買ってみました。
本自体は、黙読したら30分~40分程度で読めてしまう厚さでしたが、
過ぎず、及ばざらず、平易で非常にわかりやすく、
般若心経とはこんなストーリーだったのかと理解できました。
般若心経に関してはこの本しか読んでないので、非常に恐れ多い感想ですが、
まさに、入門書として必要十分という直感を感じます。
その内容とは、
釈尊の修業内容を人格化した架空の人物である観自在菩薩(観音様)が、
釈尊の高弟であり実在した舎利子に対して、一切が「空」であるという真理を説いているストーリーです。
菩薩は修行者(厳密には釈尊)をあらわします。
観(察)自在菩薩というのは、釈尊の修業内容が対象を良く観察し、
その対象に成り切る(相手と一体になる)というものであったことから、
その修業が自由自在にできるという「修業の人格化」が観自在菩薩、または観世音菩薩となりました。
すべては「無常の存在」であるという真実。
すべては「無我の存在」であるという真実。
この二つの真実を総括するのが「空の真理」に外ならないと説いています。
「無常」というのは、すべては常に移り変わり、永遠の存在は一つもないのだということ。
「無我」というのは、すべての存在は孤立して存在できない、
みな他と関わりあってはじめて存在が可能だということ。
この真理は身体のみならず、心に関する事象すべてに通じる真理であると続けています。
空の真理を悟るには、「観察の智慧」によって得られると言います。
(知恵と智慧の違いも巻頭に説明があり、分かり易く目から鱗でした。)
最後は、ギャテイ、ギャテイ…という「彼岸へ渡ろうよ…」と記され、
わずか276文字の般若心経が締められます。
解説しているページ数でいえば70ページ程度の本ですが、
ここに挙げきれなかった面白い内容が、短いながらも濃密に紹介されています。
般若心経には興味があるが、内容を良く知らないという人のための入門書には
最適ではないのかなと思いました。
個人的には、この本を読み、新ためて仏道に関する胆識を深めるきっかけ、
仏教語で言うなら「縁」というものを感じることができました。
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百歳で説く「般若心経」 松原 泰道 |
